クラウドセキュリティ チェックシート
自己診断チェックシート
いますぐできる11の対策で、リスクを可視化
このチェックシートは、クラウド導入・活用を検討している中小企業の皆様が、自社のセキュリティ状況を簡単に把握できるように作成しました。
クラウドサービスの利用が広がるにつれて、セキュリティ対策の重要性はますます高まっています。しかし、多岐にわたるクラウドサービスの中から、自社に最適なセキュリティ対策をどのように選べば良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、クラウドセキュリティの専門家として、お客様がセキュリティ対策を検討する際に役立つチェックリストと、具体的なサービス選定のポイントを分かりやすく解説していきます。
WAFやデータ暗号化、多要素認証(MFA)といった基本的な対策から、責任共有モデルの理解まで、いますぐチェックできる11項目をまとめています。この診断を通じて、貴社のクラウドセキュリティ戦略における課題を発見し、具体的な対策の第一歩を踏み出しましょう。
1. ネットワークセキュリティの基本チェックリスト
クラウド環境におけるセキュリティの第一歩は、外部からの不正な通信を防ぐことです。
ここでは、ネットワークセキュリティの基本的な項目と、それぞれの具体的な実装方法を解説します。
No. | 項目 | はい | いいえ |
1 | WebサーバーやデータベースサーバーにWAF(Webアプリケーションファイアウォール)を導入していますか? | □ | □ |
2 | Firewall(ファイアウォール)で、必要な通信のみを許可する設定になっていますか? | □ | □ |
3 | 社外からのアクセスは、VPN(Virtual Private Network)を経由するようになっていますか? | □ | □ |
4 | クラウド上のサーバーは、インターネットから直接アクセスできないプライベートネットワークに配置されていますか? | □ | □ |
項目解説と推奨サービス
- Webアプリケーションファイアウォール(WAF)を導入していますか?
- なぜ必要?
SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングといった、Webサイトを狙った特定の攻撃を防ぐためのセキュリティ対策です。Webサーバーの手前にWAFを配置することで、不正な通信をブロックします。 - サービス選定のポイント:
- Google Cloudをご利用の場合: Cloud Armor
- AWSをご利用の場合: AWS WAF
- Azureをご利用の場合: Azure Front Door
- なぜ必要?
- 必要な通信のみを許可するファイアウォールを設定していますか?
- なぜ必要? ネットワーク全体を保護するため、外部からの不正な通信を遮断し、許可された通信のみを通す設定が不可欠です。
- サービス選定のポイント:
- Google Cloudをご利用の場合: VPC Firewall Rules
- AWSをご利用の場合: Security Groups, Network ACLs
- Azureをご利用の場合: Azure Firewall
- 社外からのアクセスは、VPNを経由するようになっていますか?
- なぜ必要? 遠隔地から社内ネットワークへ安全に接続するための技術です。通信を暗号化するため、データの盗聴を防ぐことができます。
- サービス選定のポイント:
- Google Cloudをご利用の場合: Cloud VPN
- AWSをご利用の場合: AWS Site-to-Site VPN
- Azureをご利用の場合: Azure VPN Gateway
- クラウド上のサーバーは、インターネットから直接アクセスできないプライベートネットワークに配置されていますか?
- なぜ必要? データベースサーバーなど、重要な情報を扱うサーバーをインターネットから切り離すことで、外部からの攻撃リスクを大幅に低減できます。
2. データ保護の基本チェックリスト
次に、大切なデータをどのように守るかについて見ていきましょう。
データの暗号化は、万が一の漏えいに備える上で最も重要な対策の一つです。
No. | 項目 | はい | いいえ |
5 | 顧客情報などの機密データは、保存時に暗号化されていますか? | □ | □ |
6 | Webサイトとユーザー間の通信は、SSL/TLS証明書で暗号化されていますか? | □ | □ |
7 | 暗号鍵の管理に、AWS KMSやGoogle Cloud KMSなどの鍵管理サービスを利用していますか? | □ | □ |
項目解説と推奨サービス
- 顧客情報などの機密データは、保存時に暗号化されていますか?
- なぜ必要? データの保存時に暗号化を行うことで、万が一データが流出しても、内容を読み取られないように保護します。
- Webサイトとユーザー間の通信は、SSL/TLS証明書で暗号化されていますか?
- なぜ必要? Webサイトとブラウザ間の通信を暗号化する技術です。これにより、通信途中でデータが傍受されても、個人情報などが盗み見られることを防ぎます。
- 暗号鍵の管理に、Google Cloud KMSなどの鍵管理サービスを利用していますか?
- なぜ必要? 鍵管理サービス(KMS) は、暗号化に使用する鍵を安全に生成、保管、管理するためのサービスです。機密性の高い鍵を適切に管理することで、暗号化のセキュリティをさらに高めます。
- サービス選定のポイント:
- Google Cloudをご利用の場合: Cloud KMS
- AWSをご利用の場合: AWS KMS
- Azureをご利用の場合: Azure Key Vault
3. アクセス管理と運用の基本チェックリスト
セキュリティを維持するためには、日々の運用と、誰がシステムにアクセスするのかを適切に管理することが不可欠です。
No. | 項目 | はい | いいえ |
8 | クラウドサービスへのログインに、パスワードだけでなく多要素認証(MFA)を導入していますか? | □ | □ |
9 | 社員の役割に応じて、アクセスできる情報やシステムを制限していますか? | □ | □ |
10 | 誰が、いつ、どのデータにアクセスしたかを示す「監査ログ」を有効にし、定期的に確認していますか? | □ | □ |
11 | クラウドサービスベンダーと、セキュリティ責任の範囲について「責任共有モデル」を理解していますか? | □ | □ |
項目解説と推奨サービス
- クラウドサービスへのログインに、パスワードだけでなく多要素認証(MFA)を導入していますか?
- なぜ必要? 多要素認証(MFA) は、パスワードに加えて、スマートフォンに送られるコードや指紋認証など、複数の要素を組み合わせて本人確認を行う方法です。これにより、パスワードが漏えいしても不正ログインを防ぐことができます。
- 社員の役割に応じて、アクセスできる情報やシステムを制限していますか?
- なぜ必要? 最小権限の原則に基づき、業務上必要最低限の権限のみをユーザーに付与する考え方です。内部からの不正アクセスや誤操作による情報漏えいリスクを軽減します。
- サービス選定のポイント:
- Google Cloudをご利用の場合: Cloud IAM
- AWSをご利用の場合: AWS IAM
- Azureをご利用の場合: Azure Active Directory (Azure AD)
- 誰が、いつ、どのデータにアクセスしたかを示す「監査ログ」を有効にし、定期的に確認していますか?
- なぜ必要? 監査ログは、システム上で行われた操作の記録です。不審なアクセスや操作がないか確認でき、問題発生時の原因究明に役立ちます。
- サービス選定のポイント:
- Google Cloudをご利用の場合: Cloud Logging
- AWSをご利用の場合: AWS CloudTrail
- Azureをご利用の場合: Azure Monitor
- クラウドサービスベンダーと、セキュリティ責任の範囲について「責任共有モデル」を理解していますか?
- なぜ必要? 責任共有モデルは、クラウドサービスにおけるセキュリティ責任の範囲を定めたものです。クラウドベンダーと利用者が、それぞれどの範囲のセキュリティを担当するかを明確に理解することが重要です。一般的に、クラウドベンダーはインフラ部分を、利用者はその上で稼働するデータやアプリケーションのセキュリティを担当します。
診断結果と次のステップ
「いいえ」に一つでもチェックが入った場合は、その項目に関するセキュリティ対策が不十分である可能性があります。
しかし、ご安心ください。このチェックシートは、皆様が自社のセキュリティ状況を把握し、課題を見つけるための第一歩です。
どの項目から着手すべきか、具体的な対策方法が分からない場合は、私たちJUICYにご相談ください。
お客様の状況に合わせて、最適なクラウドセキュリティ戦略の策定をサポートいたします。
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