AWSコンピューティング比較
クラウドの波に乗るための第一歩
はじめに:クラウドの波に乗るための第一歩
こんにちは、JUICYです。ITの世界は常に進化しており、特にクラウドコンピューティングの波は、もはや無視できない大きな潮流となっています。
今回の「The Cloud Titans」シリーズでは、その中でも特に存在感を放つAWSについて、深掘りしていきます。
クラウドへの理解を深めることは、IT導入や活用に関心を持つ中小企業の皆様にとって、まさに未来への航海図を手に入れるようなもの。一見複雑に見えるクラウドサービスも、その本質を理解すれば、きっと皆様のビジネスを加速させる強力なツールとなるでしょう。
この連載を通して、皆様がクラウドの海で迷子にならないよう、 JUICYがご案内いたします。
AWSコンピューティングサービス:それぞれの個性を知る
さて、クラウドの巨人AWSが提供する数多のサービスの中でも、今回は特に「コンピューティングサービス」に焦点を当ててご紹介します。具体的には、EC2、Lambda、Fargateという三つの主要サービスです。これらは、アプリケーションを実行するための「計算能力」を提供するものですが、それぞれに異なる個性と得意分野があります。例えるなら、用途に合わせて選ぶ船のようなものですね。一般的な貨物船から、小回りの利く高速艇、はたまた全自動の無人船まで、それぞれの特徴を理解することが、最適なサービス選びの鍵となります。JUICYがもしこれらのサービスを使うなら、まずそれぞれの特徴をしっかりと把握し、どのような目的で、どのくらいの規模のアプリケーションを動かすのかを明確にすることから始めるでしょう。
☁️ AWSの代表的なコンピューティングサービス一覧
| サービス名 | 概要 | 主な用途 | モデル |
|---|---|---|---|
| Amazon EC2 (Elastic Compute Cloud) | 仮想マシンを柔軟に構築・管理できるIaaSサービス | 常時稼働のアプリ、カスタムOS環境 | IaaS |
| AWS Lambda | イベント駆動型のサーバーレス実行環境 | 軽量な処理、トリガーによる自動実行 | FaaS |
| Amazon ECS (Elastic Container Service) | Dockerコンテナのオーケストレーション | コンテナ化アプリ、マイクロサービス | PaaS |
| Amazon EKS (Elastic Kubernetes Service) | Kubernetesのマネージド実行環境 | 大規模なコンテナ運用 | PaaS |
| AWS Fargate | サーバーレスでコンテナを実行できる基盤 | インフラ管理不要のコンテナ実行 | PaaS |
| Amazon Lightsail | 初心者向けの簡易仮想サーバー | 小規模Webサイト、ブログ | IaaS(簡易型) |
| AWS App Runner | ソースコードやコンテナを簡単にWebアプリ化 | APIやWebサービスの迅速なデプロイ | PaaS |
| AWS Batch | 大規模なバッチ処理やHPC向け | 科学計算、データ処理 | PaaS |
| AWS Outposts | AWSのインフラをオンプレミスに展開 | ハイブリッドクラウド、低レイテンシ処理 | ハイブリッド型 |
| AWS Dedicated Hosts | 専用物理サーバーをクラウドで利用 | ライセンス制約のあるアプリ、高コンプライアンス環境 | IaaS(物理) |
出典:Qiitaの解説記事
🧭 選び方のヒント
- 初心者向け:Lightsail、App Runner、Lambda
- 柔軟性重視:EC2、ECS、EKS
- イベント駆動型:Lambda、Fargate
- 大規模処理:Batch、EKS
AWSは非常に多機能で、選択肢が豊富な分、目的に応じた選定が重要です。Azureと比較すると、AWSはより細かくインフラを制御できる傾向がありますが、学習コストもやや高めです。
実例集:最適なコンピューティングサービスを見つける航海
では、具体的にどのような場面でこれらのサービスが役立つのでしょうか。ここでは、EC2、Lambda、Fargateそれぞれの具体的な実例を交えながら、その活用方法を探ります。
EC2:堅牢なインフラを求める旅路
例えば、常に稼働している大規模なウェブサイトや、特定のソフトウェアをインストールして動かす必要がある業務システムを運用する場合、EC2が強力な味方となります。EC2は、仮想サーバーを自由に設定できるため、既存のオンプレミス環境からクラウドへの移行を考えている企業にとっても馴染みやすい選択肢です。
EC2の利用例
コード スニペット
graph TD
A[ユーザーアクセス] --> B[ロードバランサー]
B --> C{EC2インスタンス群}
C --> D[データベース]
図:EC2を利用したウェブシステムのアーキテクチャ例

Lambda:イベント駆動型アーキテクチャの軽快な船
一方、Lambdaは、特定のイベントが発生した時だけコードを実行する「サーバーレス」なサービスです。例えば、画像がS3にアップロードされたら自動的にリサイズ処理を行う、あるいはデータベースにデータが追加されたら通知を送信するといった、短時間で完結するタスクに最適です。常時サーバーを稼働させる必要がないため、コスト効率に優れています。

Fargate:コンテナ化されたアプリケーションの快適な運行
Fargateは、コンテナ化されたアプリケーションを簡単に実行できるサービスです。開発者がインフラの管理から解放され、アプリケーションの開発に集中できるのが大きなメリットです。例えば、マイクロサービスアーキテクチャを採用している場合や、開発環境と本番環境で同じコンテナイメージを使いたい場合に非常に有効です。

これらの実例からもわかるように、それぞれのサービスには明確な得意分野があります。プロジェクトの要件に合わせて、最適なサービスを選択することが重要です。
具体的な手順/解説:AWSコンピューティングサービスの選び方
では、実際にこれらのAWSコンピューティングサービスを選ぶ際、どのような点に注目すれば良いのでしょうか。ここでは、中小企業の皆様がサービス選定を進める上での具体的な手順と、それぞれのサービスの選び方について解説します。
ワークロードの性質を理解する
まず、ご自身のアプリケーションやシステムがどのような特性を持っているのかを把握することが重要です。
- 継続的な稼働が必要か?:常にリクエストを処理し続けるウェブサーバーや基幹システムであれば、EC2が適しています。
- イベント駆動型か?:特定のトリガーによってのみ実行されるバッチ処理やデータ変換であれば、Lambdaが効率的です。
- コンテナ化されているか?:Dockerなどのコンテナ技術を利用しているのであれば、Fargateがデプロイと管理を簡素化します。
コスト効率を考慮する
クラウドサービスは、利用した分だけ料金が発生する従量課金制が基本です。それぞれのサービスで課金体系が異なります。
- EC2:インスタンスの稼働時間やスペックによって課金されます。
- Lambda:コードの実行回数と実行時間によって課金されます。アイドル状態の料金はかかりません。
- Fargate:コンテナのリソース使用量(CPU、メモリ)と実行時間によって課金されます。
予算と利用頻度を考慮し、最もコスト効率の良いサービスを選択しましょう。
運用管理の手間を比較する
クラウド導入の目的の一つに、運用管理の負荷軽減があるかと思います。
- EC2:OSのパッチ適用やセキュリティ設定など、ある程度のインフラ管理が必要です。
- Lambda:サーバーレスであるため、インフラの管理はAWSが担当し、開発者はコードの記述に集中できます。
- Fargate:コンテナの実行環境はAWSが管理するため、EC2に比べて運用負荷は軽減されます。
皆様のIT部門の規模やスキルセットに合わせて、適切な管理レベルのサービスを選ぶことが重要です。
拡張性と可用性を検討する
将来的なビジネスの成長や、システム障害発生時の対応も考慮に入れる必要があります。
- EC2:オートスケーリンググループとロードバランサーを組み合わせることで、需要に応じて自動的にインスタンスを増減させることができます。
- Lambda:イベントの量に応じて自動的にスケーリングします。
- Fargate:コンテナの数やリソースを簡単に調整でき、高い可用性を実現できます。
これらの要素を総合的に判断し、皆様のビジネスに最適なAWSコンピューティングサービスを選び出してください。画面のキャプチャがあればさらに分かりやすいのですが、各サービスの管理画面をご覧いただくことをお勧めします。
関連企業/提供者情報:クラウドを支える巨人たち
今回取り上げているEC2、Lambda、Fargateは、AWS(Amazon Web Services)が提供する主要なコンピューティングサービスです。AWSは、世界のクラウドコンピューティング市場において、圧倒的なシェアを誇るプロバイダーの一つとして君臨しています。
- 多岐にわたるサービス提供:コンピューティングサービスだけでなく、ストレージ、データベース、ネットワーク、機械学習、IoTなど、ビジネスに必要なあらゆるクラウドサービスを提供しています。
- 高い信頼性とセキュリティ:グローバルに展開するデータセンターと堅牢なセキュリティ対策により、高い信頼性とデータの安全性を確保しています。
- 継続的なイノベーション:常に新しい技術やサービスを開発・提供し、顧客のビジネスを加速させるための進化を続けています。
- 幅広い顧客層:スタートアップから大企業まで、あらゆる規模の企業がAWSを利用しており、業界ごとのソリューションも豊富です。
AWSは、まさに現代のビジネスにおける「インフラ」を提供する存在と言えるでしょう。
AWSコンピューティングサービス:その魅力と可能性
AWSが提供するEC2、Lambda、Fargateといったコンピューティングサービスは、ただの「計算能力」を提供するだけではありません。そこには、ビジネスのあり方を根本から変える可能性が秘められています。
例えば、EC2の柔軟性があれば、急なアクセス増にも柔軟に対応できるため、ビジネスチャンスを逃すことはありません。「またサーバーが落ちたのかい?まったく、君は昔気質だね」なんて言われる心配もなくなります。
Lambdaのサーバーレスの概念は、「使った分だけ払う」という、実にシンプルな経済合理性を追求しています。無駄を徹底的に排除し、必要な時に必要なだけリソースを使う。まるで、必要な時だけ現れて仕事をこなし、終われば颯爽と姿を消す、デキる助っ人のようです。時には「あら、仕事が少なかったから、今日のギャラは少なめね。仕方ないわね」と、ちょっぴり皮肉を言われるかもしれませんが、それもまたご愛嬌。
そしてFargateは、コンテナ技術の恩恵を最大限に享受しながら、インフラ管理の手間を劇的に削減します。開発者は「コンテナのデプロイ?任せておくれよ!」とばかりに、本来の業務であるアプリケーション開発に集中できるのです。もちろん、完璧なサービスなど存在しませんから、時には「あれ?思ったより起動が遅いね。まあ、こんなこともあるさ」といった些細な不満があるかもしれません。しかし、それらを補って余りあるほどのメリットが、これらのサービスには詰まっているのです。
よくある質問(FAQ)
A. 短時間で断続的な処理であればLambdaの方がコスト効率が高く、常時稼働が必要なシステムにはEC2が適しています。
A. ECSやEKSの基本操作に慣れる必要がありますが、インフラの運用負担が少ないため、中小企業のクラウド導入にも適しています。
まとめ:クラウドという新たな航海へ
さて、今回はAWSの主要コンピューティングサービスであるEC2、Lambda、Fargateについて、JUICYが個人的な視点から解説させていただきました。これらのサービスは、それぞれ異なる特性を持ち、皆様のビジネスにおける様々な課題を解決する可能性を秘めています。
クラウドへの移行は、決して簡単な道のりではないかもしれません。しかし、適切な知識とサービス選びによって、その航海はよりスムーズで実り多いものとなるでしょう。この記事が、皆様のクラウド導入や活用の一助となれば幸いです。他のクラウドサービスと比較したい方は、「クラウド主要3社の比較記事」もぜひご覧ください。もし、この広大なクラウドの海で「どちらに進めばいいのか」と迷われた際には、私たちJUICYがお手伝いできることがあるかもしれません。皆様のビジネスの発展に貢献し、共に成長していくことが、JUICYの何よりの喜びです。
シリーズ記事:
The Cloud Titans #2-1

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