SASE 導入 費用 シミュレーション
SASE導入費用のシミュレーションとROI算出
SASE(Secure Access Service Edge)の導入は、単なるITツールの更新ではなく、中長期的な経営基盤の刷新を意味します。本ガイドでは、100名/300名/1000名の規模別に、5年間の総保有コスト(TCO)と投資対効果(ROI)を算出し、予算承認に不可欠な判断材料を提示します。
※本試算は、ZTNA / SWG / FWaaSを含む標準的なSASEバンドル(中位プラン)を前提としています。
※為替1ドル=150円換算。為替変動により総額に±10〜20%の影響が生じる可能性があります。
1. 【規模別】初期費用の内訳(イニシャルコスト)
導入初年度に発生する、設計・構築およびハードウェアの費用です。
| 項目 | 100名規模(3拠点) | 300名規模(10拠点) | 1000名規模(30拠点) | 備考 |
| 初期ライセンス登録料 | 30万円 | 50万円 | 100万円 | テナント開設・初期設定費用 |
| 拠点設置機器(CPE) | 60万円 | 200万円 | 600万円 | 各拠点に置くSD-WANエッジ機器 |
| 設計・構築コンサル | 150万円 | 350万円 | 800万円 | ネットワーク設計・ポリシー策定 |
| 移行・導入支援工数 | 60万円 | 150万円 | 400万円 | 既存VPNからの切り替え・検証 |
| 合計(初期費用) | 300万円 | 750万円 | 1,900万円 | ※自社工数は含まず |
2. 【規模別】年間運用費用の内訳(ランニングコスト)
2年目以降、継続的に発生するコストです。なお、現行のVPNや拠点機器を維持した場合でも、機器更改費用、運用人件費、および個別セキュリティ対策の強化により、同等規模のコストが継続的に発生する点には留意が必要です。
| 項目 | 100名規模 | 300名規模 | 1000名規模 | 備考 |
| SASEサブスクリプション | 540万円 | 1,440万円 | 4,200万円 | 1名あたり月額$25〜$30想定 |
| 拠点回線費用(ISP) | 180万円 | 600万円 | 1,800万円 | 1拠点あたり月額5〜15万円想定 |
| 運用アウトソーシング | 120万円 | 240万円 | 480万円 | マネージドサービス(外部委託) |
| 合計(年間費用) | 840万円 | 2,280万円 | 6,480万円 | ※保守・サポート料を含む |
3. 5年間の総保有コスト(TCO)推移
投資の回収期間と、中長期的な予算規模を可視化します。
| 期間 | 100名規模 | 300名規模 | 1000名規模 |
| 初年度(初期+ランニング) | 1,140万円 | 3,030万円 | 8,380万円 |
| 2〜5年目累計(運用のみ) | 3,360万円 | 9,120万円 | 2億5,920万円 |
| 5年間 TCO 合計 | 4,500万円 | 1億2,150万円 | 3億4,300万円 |
4. 投資回収の考え方(ROIの試算指標)
SASE導入の投資対効果は、以下の「3つの回避コスト」を合算して評価するのが実務上有効です。
- IT運用工数の削減(人件費): ネットワーク管理・障害対応の自動化により、運用担当者0.5〜1名分の工数を削減(年間300万〜800万円相当)。
- 拠点機器更新コストの回避: 5年周期で発生するルーター、ファイアウォール、VPNゲートウェイ等のリプレース費用(数百万〜数千万円規模)が不要になります。
- 重大インシデントの回避: 情報漏えいやランサムウェアによる潜在損失(事故1件あたり数千万円〜数億円)を最小化する「リスク回避価値」。
【モデルケース:300名規模の場合】
年間約2,000万円規模の投資に対し、運用工数削減と機器更新回避を合算すると年間1,000万円前後の削減効果が見込まれ、約3〜4年での回収が現実的な水準となります。
5. 確実な決裁に向けた「推奨ステップ」
大規模な初期投資に踏み切る前に、まずは1拠点・20名規模でのPoC(概念実証)を即時実施し、実データをもって全社展開の是非を判断してください。
- 検証期間: 1〜2ヶ月
- 主要評価指標(KPI): 通信遅延の解消率、VPN切断の発生回数、IT部門への問い合わせ件数、および従業員の体感速度。
この実証結果を経営陣に提示することで、全社導入による生産性向上への寄与を、客観的なデータに基づいて証明することが可能になります。
結論:SASE導入は「ITを事業貢献の武器」に変える投資
経営層は、この数字を単なる固定費の増加としてではなく、「事業の拡張性を手に入れるための資本投資」と捉えるべきです。
現行構成の限界を打破し、変化に強い組織基盤を作るために、まずは1拠点・20名規模でのPoCを即時実施し、実データをもって全社展開の是非を判断してください。実際のネットワーク構成を前提とした簡易診断を行うことで、導入可否とより精緻な概算コストは短時間で把握可能です。
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